健全な魂を育み損ねた非健全なオタクブログ

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『五等分の花嫁』6巻の『七つのさよなら』について考察

『五等分の花嫁』の6巻を読み終えました。
5巻では、風太郎が昔出会った少女が大きくなって、再会するところで終わりましたから、気になって仕方なかったです。
何より目次に並ぶ『七つのさよなら』がどういうことなのか。5巻から続く『さよなら』は6巻で終わるのか。今回は各話数ごとに『さよなら』にどんな意味が込められているのかを考察してみます。

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©五等分の花嫁 春場ねぎ

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©五等分の花嫁 春場ねぎ

6巻のあらまし

第42話 七つのさよなら④

風太郎の目の前に現れたのは5年前に出会った少女の大きくなった姿。 自分のことを「零奈」と名乗ります。 しかし、今の風太郎が五つ子の家庭教師をしていることを知っていたり風太郎からの五つ子皆の個性や風太郎が感じている彼女たちの所見・思いを聞いて恥ずかしそうに俯いていたり明らかに五つ子の中の誰かだと思われます
そんな「零奈」を演じる彼女は「必要とされる人になれてるよ」と風太郎を励まします。
しかし、姉妹の喧嘩の原因を作ってしまったと感じている風太郎は、昔となんも変われてないと返します。完全に自信を失ってます。
そんな彼に対して「零奈」は何を思ったか、彼が持っていた写真を返さず、代わりに彼女がこれまで持っていたお守りを 「自分を認められるようになったら開けて」という言葉とともに風太郎に渡します
そして「さよなら」と言い残して、風太郎のもとから去ってしまいます。
実質フラれたような構図になった風太郎君。当然のように傷心モードに突入します。この主人公がここまでがっくりきている様子は今まで珍しいので、よっぽど彼にとって、5年前の少女は大きな存在だったのではないでしょうか。
42話でのさよならは、5年前の少女(=本名は零奈?)との「さよなら」

第43話 七つのさよなら⑤

しつこく訪問する風太郎に対して、口ではやいのやいの言いつつ内心嬉しそうな二乃。
しかし、傷心モードの風太郎を見て、様子がおかしいことに気づき、いったん泊まってるホテルに招き入れます。
風太郎の傷心の理由を聞いて涙したり、前の巻で問題集を破ってしまったことを謝ったり、二乃も素直になれるじゃないかと思いつつ、どうやら五月に叩かれたことは許せない様子
しかし、簡単には引き下がれない風太郎。零奈と再会して「人は変わるもの」ということを再確認し、それを伝えます。
二乃にとって昔の姉妹の関係性は居心地がよかったのに、変わってしまったことが、やるせないと同時に、取り残されているような感覚になっていたことを打ち明けます。そしてキンタローへの想いも。
43話でのさよならは、風太郎と二乃が過去と「さよなら」できない姿からでしょうか。

第44話 七つのさよなら⑥

キンタローという偶像を作ってしまった風太郎は、二乃に謝るために再度キンタローとして二乃の前に立ちます。
一緒にクッキーを作ったりして和やかなムードだったのが一転。風太郎の変装であることを知った二乃は、風太郎を呼び出し、正体を暴きます。言い訳をしようとする風太郎ですが、残念、目の前にいるのは二乃です。問答無用で飲み物に薬を盛られて眠らされてしまいました(二回目^^;
それでもキンタローに扮した風太郎から言われた「五人で一緒にいてほしい」という言葉が二乃の脳裏をよぎります。 風太郎なりに五つ子の心配をしてくれていることを、二乃だって気づいているだけにモヤモヤしてしまうのでしょうね。
44話でのさよならは、二乃が風太郎に対して放った「さよなら」

第45話 七つのさよなら⑦

期末試験が近い中、陸上部の部長の頼みを断れず、どこまでも練習に付き合う四葉
しかし、一花のアシストで、四葉「本当は部活を辞めたい」という心の声を知った風太郎は、四葉を解放してあげるために動きます。
45話でのさよならは、特に何も無し?

第46話 七つのさよなら⑧

二乃を連れ戻しに来た三玖。性格も味の好みも違う二乃と三玖は、何を飲むかでも意見が分かれます。(紅茶派の二乃と緑茶派の三玖)
昔に囚われる二乃に対して、三玖は「私たちは5分の1人前。二乃がいたから私は紅茶の味が知れた。昔のままじゃ私たちずっと20点のまま」と。

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©五等分の花嫁 春場ねぎ

ちなみに紅茶も緑茶も同じ茶葉を使っていて、発酵過程が違うだけだったというのも、今の五つ子にそっくりです。それを知った二乃は、「過去を忘れて今を受け入れる」という考えも悪くないのではと思い、過去との決別を決意します。
46話は、「二乃の過去とのさよなら」

第47話 七つのさよなら⑨

陸上部の練習を断りたくても断れない四葉。 このままなあなあで練習に付き合い続けることになるのかと思っていましたが、髪をばっさり切った二乃が助けてくれました。
過去との決別を決めた二乃は、その手始めとしてずっと長かった髪の毛を短く切ることにしたようです。女性にとって、髪は命の次に大事なものとまで言われていますから、相当な覚悟を持っていたことが、この描写からも伝わります。
しかし、陸上部部長に相対するときの二乃さんこえー^^;

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©五等分の花嫁 春場ねぎ

キンタローと過去の五つ子と「さよなら」を果たした二乃は、四葉に対しても「あんたも変わりなさい」と。
47話のさよならは、「二乃がキンタローと過去の五つ子の姿へのさよなら」四葉が陸上部とさよなら」。 二乃と五月も仲直りできてよかった。

第48話 七つのさよなら⑩

無事、5人全員を家に戻すことができ、期末試験に向けての勉強プランを提案する風太郎。 キンタローに変装した前科があり、二乃に対して若干の負い目があるのか、風太郎らしくなく二乃にこの勉強プランでもいいか恐る恐る聞くシーン。これまで突っぱねるだけだった二乃とは打って変わって、受け入れてくれました。これまでの様々な苦労を重ねてきた風太郎にとっては嬉しいでしょうね。

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©五等分の花嫁 春場ねぎ

迎えた期末試験では案の定、結果が出ず。まあ、試験3日前に、あれだけ濃い人間ドラマを繰り広げていれば勉強どころではなかったでしょうし、仕方ないですね。今回は、特にノルマも課せられてないので、次頑張ればいいね!
と思ったら、風太郎君。どうやら、これまで勉強を教えることだけで、彼女たちの気持ちも考えてあげることができなかったと自責を感じているようで、五つ子の家庭教師から降りることを決めてしまいました。
「自分は辞めるけど、お前ら五つ子のパワーがあれば無敵だ」と彼女らに心で語り掛ける風太郎。
49話のさよならは、風太郎が五つ子の家庭教師を自ら辞めるさよなら」

第49話 七つのさよなら⑪

風太郎が家庭教師を辞めることを聞いた五つ子たち。
代理の家庭教師は、中野家のお父様の運転手である江端氏。(誰だよ!? こんな人にやらせるぐらいなら私が五つ子の家庭教師やるよ!)
事情を聞こうにも、風太郎は家の出入りを禁止されてしまった様子。
期末試験用に渡されたカンニングペーパーを見てみると、そこには風太郎らしい五つ子への感謝の言葉が。
それを見た三玖や四葉は、「やっぱり風太郎じゃないと嫌だ..」と。幸せ者な主人公でうらやましい。
これに対して、一花が皆にある提案をします。
49話のさよならは、風太郎と五つ子のさよなら」

第50話 七つのさよなら⑫

クリスマスイブ。ケーキの売り子のバイトをしていた風太郎を呼び寄せ、それぞれが風太郎が辞めたことに対する思いを話します。皆、戻ってきてほしいとは言わず、「このままでいいのか?」と風太郎に問いかけます。 それでも意固地になってる風太郎に対して、彼女らは皆で家を出たことを知ります。
その覚悟を目の当たりにして、風太郎も変わることを決めます。破天荒な立ち回りをする彼女らを見習って、自分も好き勝手お前らに勉強を教えてやる!と。
これでまた皆で一緒に勉強できそうですね。
50話のさよならは、「五つ子が親からの援助を受けずに彼女らで独り立ちをするさよなら」

花嫁候補たちの動き

一花

風太郎のために裏から協力する一花の構図がよく見れました。
四葉が陸上部を辞めたいことを聞き出したり、風太郎が辞めると聞いた時に、いち早く打開策を提示したり、まさに「頼れる皆のお姉さん」って感じでした。

二乃

6巻では、これまで過去の姉妹の面影に囚われていた二乃が前向きな「さよなら」をして前に進んだ姿が印象的でした。 三玖に言われた言葉をきっかけに、気持ちを新たにします。そして髪もばっさり。

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©五等分の花嫁 春場ねぎ

陸上部部長にも容赦なくばっさり口撃していたのには笑いました。先輩を泣かせるレベルの口撃力を持っているとは..恐ろしいぞこの娘。

三玖

二乃のもとを訪れたときの会話から、三玖は一番成長しているように感じます。
「あなたがいるから私も成長できる」という気持ちをもって、他人と接するようになっている印象を受けます。当初は何を考えているかわからない根暗な感じだった彼女も随分変わりました。
風太郎が家庭教師を辞めると聞いた時も、一番悲しそうにしてました。なんといっても一番最初に風太郎に好意を抱きここまで一途に想い続けているわけですから、そうなりますよね。
風太郎を説得するときの言葉も、風太郎と出会ったことをきっかけに少し風太郎っぽい言葉をセレクトしてるのが心に響きます。

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©五等分の花嫁 春場ねぎ

四葉

他の姉妹のサポートで、陸上部の練習から解放されてよかったですね。 四葉だけだと間違いなく断ることができずにいたでしょう。
一人ひとりが自分にできることをやり、他の姉妹ができないことをできる誰かが助ける。そうやって少しずつでも、5人で一人前を目指すという姿を見れた気がします。

五月

四葉に変装するも真面目な性格ゆえ、四葉のなりきりに悪戦苦闘してる姿が絶妙な可愛さでした。 また、二乃と喧嘩した際も、相当気にしていたようで、二乃と仲直りするシーンでは、泣きじゃくっていました。仲直りしたとき用に持っていた二乃の好きな映画のチケットを出して、「今度一緒に行きましょう」と泣きながら笑顔で答える五月。めっちゃいい子だなぁ。二乃も同じことを考えていたようで、姉妹の仲の良さと五つ子の似た部分が見れてほっこりしました。

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©五等分の花嫁 春場ねぎ

6巻の感想まとめ

期末試験でも姉妹の点数は変わらず、風太郎は責任を感じて家庭教師を自ら降りることを決めます。
それに納得がいかない五つ子たちは、風太郎の残したカンニングペーパーを見て、風太郎の気持ちに気づきます。もう彼は、五つ子にとって欠かすことのできない大きな存在となっていたようです。
そして最後に登場したのはなんと五つ子のお父さん! 風太郎は48話で父親らしいことを全くしないことに対して啖呵を切るということをしましたが、これで目を付けられてしまいましたかね。
これをきっかけに今後は、いよいよ上杉家と中野家の絡みが増えていきそうです。そして、五つ子のパパンはきっと本作のラスボスですね。